練習日記0511

鳥が低く飛んでいる。

車を降りた瞬間、湿り気を帯びた生温い風が頬を撫でた。

高崎経済大学との合同練習を前日に控えた我々群大アメフト部の張りつめた心中を的確に表現するかのような天気だった。

緊張した面持ちで一行は大学の体育館へと向かう。

今日の予定は筋トレスタート、田口緑地で明日に向けてヒット系の練習をするというものだった。

 

予定は完璧のはずだった。

1年マネージャー杏奈は、慣れた手つきでスマートフォンを操作した。

「降水確率90%」

外での練習が無理なことを理解するには十分すぎる数値だった。

また、朝方から3年プレーヤー今井を苦しめる禍々しいほどの頭痛が、気圧の低さを物語っていた。

 

一行は苦渋の決断でスポーツセンターへと場所を移すことにした。

急遽変更したメニュー内容は引き続き筋トレ。

如何なる状況に陥ろうとも自らの体を痛めつけ、鍛え上げることに余念の無い男達が集っているのがこの群大アメフト部である。

全ては未来の、勝利の為に。

 

現役女子大学院生マネージャー山田、3年トレーナー林をはじめとするスタッフ陣の献身的なサポートによりメニューは淡々とこなされていく。

3年主将安田は、筋トレの際に目を瞑る三都主を「修行みたいでかっこいい」とやたらに称賛する。だが実際自分の番になってやってみると目が開いてしまうことに若干のもどかしさを感じてもいたようだった。

2年プレーヤー吉田、納富コンビは筋トレ中、女子高生に見られているという錯覚を自身の感覚に植え付けることに遂に成功した。彼らはこの輝かしい技術を以て、後の試合で驚くべき成果を出し得るであろう。

同じく2年プレーヤー齋藤も、本日欠席の3年星に対する苛立ちからか、いつも以上に熱のこもったトレーニングを見せつけてくれたように感じる。

雨になど負けない。

彼らの意志は悪天候に屈することを潔しとしなかった。

 

雨はもう、止んでいた。

 

 

P.N.そんなわかな

 

 

 

参加者:安田 遠藤 齋藤 納富 吉田 山田 林 野村 高橋(杏)

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コメント: 2
  • #1

    安田 (水曜日, 15 5月 2013 00:44)

    私は副将です。
    目を瞑ると力入らないんだよね。
    サントスすげーなー。

  • #2

    八八 (土曜日, 18 5月 2013 14:39)

    けれど、悪天候には負けています。